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日外会誌. 104(6): 488-490, 2003


症例報告

CEAを産生分泌した甲状腺低分化型濾胞癌

1) 隈病院 
2) 和歌山県立医科大学 第二病理

小林 薫1) , 横澤 保1) , 伊藤 康弘1) , 松塚 文夫1) , 隈 寛二1) , 宮内 昭1) , 覚道 健一2)

I.内容要旨
thyroglobulin, CEA, calcitoninは甲状腺の乳頭癌,濾胞癌と髄様癌の鑑別診断に有用である.
症例は甲状腺癌の70歳の女性で,血清のthyroglobulinとCEA値が高値を示していた.手術後,血清のthyroglobulinとCEA値は低下した.その後,全身への転移が出現し,手術から1年9カ月後に死亡した.病理組織は低分化型濾胞癌であり,組織学的にthyroglobulinとCEAが陽性で, calcitoninは陰性であることが証明された.
非髄様癌で例外的にCEAを合成分泌する症例があるので注意を要する.

キーワード
甲状腺, 濾胞癌, CEA

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