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日外会誌. 103(12): 861-864, 2002


特集

術後感染症対策の最近の進歩と問題点

4.呼吸器外科における immunocompromised host infection

福岡大学 医学部第2外科

白日 高歩

I.内容要旨
院内肺炎の一種である術後肺炎は,高齢者,進行肺癌,肺機能不良者(特に1秒率低下例)等に多く,immunocompromised host infectionとしてはMRSA肺炎を最も注意すべきである.大部分は不顕性誤嚥に基づく口腔内,咽頭付近の分泌物流れ込みが誘因となっている.人工呼吸器関連肺炎も同様の現象で発症するものと考えられる.医療者側の注意として,他患者への感染を防ぐ為にも手洗いの徹底あるいは手袋の着用を基本とした分泌物吸引が大切である.また誤嚥性肺炎防止対策としてファーラー位臥床を励行する事,H2プロッカー投与患者では胃内容の長期停滞を防ぐ処置も望まれる.呼吸器外科術後の肺炎では起炎菌同定迄の処置としてのempiric therapyが重要な役割を示す事となる.

キーワード
術後肺炎, 院内肺炎, MRSA肺炎, empiric therapy


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