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日外会誌. 103(8): 538-542, 2002


特集

進行胆囊癌外科治療の現況

2.進行胆囊癌の外科治療-適応と限界-

名古屋大学大学院 医学研究科器官調節外科
 (*現静岡県立静岡がんセンター 肝胆膵外科)

上坂 克彦*) , 早川 直和 , 神谷 順一 , 近藤 哲 , 梛野 正人 , 金井 道夫 , 佐野 力 , 新井 利幸 , 湯浅 典博 , 小田 高司 , 西尾 秀樹 , 二村 雄次

I.内容要旨
当科では過去22年にわたり,進行胆嚢癌に対して拡大肝切除を含む積極的な外科治療を行い,stage IVaで19%,IVbで6%の5年生存率を,またstage IVaで7例,IVbで1例の5年生存例を得た.反面,門脈枝塞栓術や徹底した胆道ドレナージなどの周術期管理にもかかわらず,主に肝不全を原因とする在院死亡を19%に認めた.
進行胆嚢癌に対しては,切除のみが長期生存の得られる唯一の治療法であるが,今後,1)在院死亡率を10%以下に下げること,2)長期生存が得られる症例をより明確に選択できるようにすること,3)再発後の治療法の開発,などが重要な課題である.

キーワード
進行胆囊癌, stage IV胆囊癌, 拡大肝切除術, 門脈合併切除, 膵頭十二指腸切除術


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