[書誌情報] [全文PDF] (1665KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 101(11): 809-813, 2000


症例報告

血管壁に過誤腫性変化を伴う腹部大動脈瘤の1治験例

東京慈恵会医科大学附属柏病院 心臓外科

黄 義浩 , 堀越 茂樹 , 水野 朝敏 , 青木 功雄 , 田口 真吾

I.内容要旨
症例は22歳の女性.2,3年前から労作時の呼吸苦が増悪傾向にあり,胸部X線写真で右肺気胸,胸部CT検査で両肺の瀰漫性小嚢胞を指摘され,胸腔内視鏡による胸膜生検で過誤腫性肺脈管筋腫症(Lymphangiomyomatosis 以下LAMと略す)と診断された.全身検索を行ったところ,結節性硬化症(Tuberous Sclerosis 以下TSと略す)と腹部大動脈瘤(AAA)の合併を認め,気胸の治療後に人工血管置換術を施行した.大動脈壁組織像では,肺病変と同様の平滑筋組織の過誤腫性変化を認め,それにより壁の脆弱,瘤化を来たしたと思われた.

キーワード
腹部大動脈瘤, 過誤腫性肺脈管筋腫症, Lymphangiomyomatosis, 結節性硬化症


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。