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日外会誌. 101(4): 363-367, 2000


特集

食道アカラシアにおける治療最近の動向

9.Girard変法

日本大学 医学部第3外科

佐藤 博信 , 田中 隆 , 村山 公 , 山形 基夫 , 田中 和彦 , 岩井 重富

I.内容要旨
食道アカラシア手術の基本方針は噴門通過障害の改善と食道胃逆流防止機構の再建と考えており,通過障害を解除しただけでは,それによって惹起される食道胃逆流を防止することは困難である.噴門部の切開法には,下部食道の全層切離を行った後に形成術を加える方法と粘膜下筋層切開に形成術を追加する方法に大別できるが本稿においては後者に分類されるGirard変法について述べると同時に,最近ではアプローチとして腹腔鏡下で本法を行っているので,その成績についても述べた.Girard変法の基本方針は完全な筋層切開と噴門部の恒久的拡張,下部食道の牽引と横縫合による粘膜弁の作成,胃底部逢着によるHiss角の強調が中心となる.腹腔鏡下アプローチによるGirard変法の成績について,術後短期的な評価は良好であるが,長期的な予後の評価については今後の検討をまたねばならないと考えている.

キーワード
食道アカラシア, Girard 変法, 腹腔鏡下手術, 噴門形成術, 食道胃筋切開術


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