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日外会誌. 101(4): 357-362, 2000


特集

食道アカラシアにおける治療最近の動向

8.縮小開腹創下のJekler&Lhotka変法手術

東京女子医科大学 消化器外科

井手 博子 , 江口 礼紀 , 中村 努 , 林 和彦 , 小林 中 , 太田 正穂 , 谷川 啓司 , 成宮 孝祐

I.内容要旨
食道アカラシアの手術のポイントは下部食道昇圧帯の十分な減圧とこれに伴う逆流防止機構の再形成にある.Heller1)のcardiomyotomyに伴う逆流防止目的としてのfundopexy付加手術は現在欧米ではHeller+Dor手術と呼ばれ,本邦でも同術式がJekler&Lhotka法と呼ばれアカラシアの標準術式として広く行われている.当教室では1982年来本術式を導入,1986年からは開腹下に術中内圧検査を併用し,十分な筋層切開による減圧効果を得たのちHillの後方固定法を付加して長い腹部食道を作成し逆流防止機構の再構築をするJekler変法手術を行い,その有効性を報告してきた.更に最近は患者のQOLの観点から開腹創の縮小化も積極的に試みている.本稿では縮小開腹創下のJekler変法手術の手技を示し,さらに本術式の意義を術中食道内圧変化の面から考察した.

キーワード
食道アカラシア, Jekler & Lhotka 変法手術, Heller + Dor 手術, 食道内圧, 縮小開腹創下手術


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