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日外会誌. 101(2): 237-240, 2000


症例報告

肝硬変併存lcteric type hepatoma減黄後肝切除の一例

都立荏原病院 外科

大竹 晋 , 山本 雅一 , 藤井 美智子 , 金 慶一 , 遠藤 昭彦 , 伊藤 哲思 , 高橋 秀暢 , 佐藤 正典 , 済陽 高穂

I.内容要旨
症例は67歳,男性.主訴,黄疸.肝左葉外側区域4cm大の腫瘍から腫瘍栓が総肝管に伸展.肝左葉優位の肝内胆管の拡張を認めた.閉塞性黄疸の診断にてB3胆管より経皮経肝胆管ドレナージを施行.入院時総ビリルビン18.8mg/dl,ドレナージ後21日目には2.6mg/dlと低下.減黄後のICGR-15は41%と高値であったが,ヘパプラスチンテスト89%.また,アシアロシンチグラフィーでは肝左葉へのアイソトープの集積が認められず,肝左葉切除術可能と判断.胆管ドレナージ後28日目に手術を施行.切除標本では,肝硬変を併存した肝細胞癌が左肝管と左門脈一次分枝に腫瘍栓を形成.総胆管内には腫瘍栓はみられなかった.術後肝不全徴候なく,術後第12病日に退院.肝硬変併存Icteric type hepatoma切除例の報告はまれである.有効な胆道ドレナージと,アシアロシンチグラフィーを含む総括的な肝予備能評価が肝切除成功の大きな理由と考えられた.

キーワード
Icteric type hepatoma, 肝切除, 肝硬変


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