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日外会誌. 101(2): 212-216, 2000


特集

膵癌取扱い規約をめぐって

6.膵癌術前Stagingの意義

東北大学 医学部第1外科

砂村 眞琴 , 小針 雅男 , 渋谷 和彦 , 武田 和憲 , 松野 正紀

I.内容要旨
予後不良な膵癌治療の現状においては,新たな治療法を模索することも重要な課題であるが,現在の治療法の適応を合理的に決定するためのフローチャートの作製が求められている.このためには術前Stagingが大切であり,Stageに応じて外科治療方針が決定できる.また,放射線感受性や抗癌剤耐性などの検索が可能となれば合理的な補助療法の選択も可能となり,症例に応じて治療計画を立てる“テーラーメード療法”が確立できる.ヘリカルCT像はSおよびRP因子を評価するために有用であり,CT-APにより不顕性肝転移の同定が可能となる.この術前Stagingを有効なものとするためには,Stagingの正確性を組織標本と照らし合わせて評価すること,そして,より正確なStagingを行うための検査システムを確立することが重要である.また,Stage Ⅰ, Ⅱ, Ⅲを切除対象例に,遠隔転移を伴うStage Ⅳbを保存的治療対象例とすることに問題はないが,Stage Ⅳa症例に対する外科切除術の意義を臨床研究で科学的に明らかにすることが今後の課題である.

キーワード
膵癌, 術前 Staging, 外科治療, テーラーメード療法


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