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日外会誌. 100(12): 818-821, 1999


症例報告

Pittsburgh大学における心停止後ドナーからの全肝移植8例の経験

1) University of Pittsburgh Medical Center, Thomas E. Starzl Transplantation Institute.
2) 弘前大学 医学部第2外科

十束 英志1)2) , John J. Fung1) , 袴田 健一2) , 鳴海 俊治2) , 佐々木 睦男2)

I.内容要旨
米国Pittsburgh大学移植センターにおいて心停止後ドナーからの全肝移植8例を経験したので報告する.
8例中,4例はドナー手術開始直前に集中治療室または手術室にて予期せず心停止を来したuncontrollednon-heart-beating donorで,4例はドナーの家族の希望で,手術室において気管内チューブを抜去し,心停止が確認された時点で手術を開始,移植片を摘出した症例(controlled non-heart-beating donor)であった.Uncontrolledの4例中2例は術後早期に再移植となり,1例では移植肝は生着したものの,腎不全,呼吸不全を合併,53日間の集中治療を余儀なくされた.Controlledからの移植肝は4例全例生着し,術後経過は良好であった.
Controlled non-heart-beating donorからの全肝移植は,ドナー不足の深刻な本邦において有用な術式と考えられた.

キーワード
心停止後ドナー, 全肝移植

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