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日外会誌. 100(3): 244-248, 1999


特集

Barrett食道癌-基礎と臨床-

5.Barrett食道癌の内視鏡診断

1) 虎の門病院 消化器科
2) 虎の門病院 消化器外科
3) 虎の門病院 病理学科
4) 順天堂大学 医学部消化器外科

星原 芳雄1) , 山本 敬1) , 橋本 光代1) , 山本 信彦1) , 田中 達朗1) , 菅原 和彦1) , 速水 陽子1) , 石川 茂正1) , 松本 寿永1) , 布袋屋 修1) , 志田 勝義1) , 宇田川 晴司2) , 松下 央3) , 鶴丸 昌彦4)

I.内容要旨
Barrett食道癌であると内視鏡で診断するためには,①腺癌であること,②Barrett粘膜内あるいはそれを素地として発育してきたことの2点を明らかにすることが必要である.腺癌であることは生検によって確診することができるが,Barrett粘膜由来であることを生検で示すことは困難である.従って,内視鏡的に腫瘍がBarrett粘膜内に存在するか,それと関連していることを示さなければならない.そのためにはBarrett食道が内視鏡にて明確に診断できなければらない.われわれは下部食道縦走血管を指標にすることにより,Barrett粘膜の有無や広がりを内視鏡にて確実に診断できることを報告している.Barrett腺癌を早期に診断するためにはBarrett粘膜あるいはBarrett食道が存在するかどうかを絶えず意識しながら食道を観察し,Barrett粘膜を内視鏡にて確実に診断することが大切である.Barrett腺癌のEMR適用について今後の検討が必要である。

キーワード
Barrett腺癌, Barrett食道, short segment Barrett's esophagus, 内視鏡診断


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