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日外会誌. 100(2): 200-205, 1999


特集

消化器癌術後再発例への対策と成績

4.膵癌切除後再発の対策と治療

東北大学 医学部第1外科

砂村 眞琴 , 江川 新一 , 渋谷 和彦 , 島村 弘宗 , 武田 和憲 , 小針 雅男 , 松野 正紀

I.内容要旨
膵癌切除症例における再発の特徴は,局所再発とともに高頻度の肝転移巣が形成されることである.術後再発例の検討から,肝転移巣が顕在化した症例は局所再発のみを認める症例に比較し,明らかに予後が不良なことが判明した.肝転移を伴わない局所再発例に対しては積極的に治療を行っているが,その中心となる治療法は,5FUを併用した体外放射線照射療法であり,一回2Gyを5FU 250mg/日継続投与しながら20回,計40Gy照射している.一方,膵癌における肝転移再発は,小病変が多数同時に出現することが特徴で,効果的治療法が確立されていないのが現状である.患者のQOLを考慮し,肝動脈にカテーテルを留置して週一回外来診察時にMMC 4mgをリザーバーから注入しているが,今後治療効果の解析が必要である.膵癌に伴う肝転移は,すでに手術時に不顕性肝転移巣として存在している可能性もあり,血管新生阻害剤などを用いた新たな治療法の開発が期待される.

キーワード
膵癌, 局所再発, 肝転移, 放射線照射療法


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