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日外会誌. 99(5): 320-325, 1998


特集

呼吸器悪性腫瘍の最新の治療方針

8.胸膜悪性中皮腫の治療方針

福岡大学 医学部第2外科

白日 高歩 , 岡林 寛

I.内容要旨
疫学的検討では近い将来新たに発病のピークが到来すると予測される胸膜悪性中皮腫は,局所で進行性に発育するため外科的治療を中心に放射線療法や化学療法が選択されてきたがその予後は極めて悪い.治療としては既存の治療法(外科的切除,放射線,抗癌剤,温熱療法等)を組み合わせた集学的治療法が主体となり,以前に比し治療成績もわずかながら改善が見られるが,信頼できる治療には程遠いものであった.しかし,近年の遺伝子工学の進歩に伴い胸膜悪性中皮腫の遺伝子異常が次第に解明され,さらに欧米ではこれを応用した遺伝子治療の研究が臨床応用されつつある.胸膜悪性中皮腫の治療法として確立する事を期待したい.

キーワード
胸膜悪性中皮腫, 胸膜肺全摘術, 胸膜切除術, 胸腔内温熱灌流, 遺伝子治療


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