[書誌情報] [全文PDF] (589KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 97(12): 1085-1090, 1996


特集

外科周術期重症感染症の現状と対策

10.重症感染症の栄養管理とbacterial translocation

東京大学 医学部手術部

齋藤 英昭

I.内容要旨
侵襲時の栄養管理の目標は,エネルギー産生量や窒素平衡など単なる栄養・代謝の指標の改善にとどまらず,栄養管理によって生体反応を修飾し生存率を改善することにある.従来から,重症感染症の代謝の特徴であるhypermetabolismとcatabolismに見合うなカロリー投与量や糖,アミノ酸,脂肪の投与量が勧められている.しかし,最近では栄養管理による生体防御力の維持・増強をめざして,カロリーの適切な投与量や栄養投与経路,特殊栄養成分などが見直されている.本稿では,このような観点から重症感染症における栄養管理の実際,栄養管理における腸の重要性,translocation,さらにimmunonutritionを解説した.

キーワード
重症感染症, 栄養管理, translocation, immunonutrition, 経腸栄養


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。