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日外会誌. 97(6): 455-459, 1996


特集

食道癌外科治療の実際

食道癌手術の術後管理と処置
(4)術後のfollow-up-(再発・栄養・告知後)-

東京女子医科大学 消化器外科

井手 博子 , 中村 英美 , 太田 正穂 , 谷川 啓司 , 小林 中 , 吉田 一成 , 林 和彦 , 中村 努 , 江口 礼紀

I.内容要旨
食道癌根治切除術後の患者管理のポイントを述べた.
1)術後の栄養管理:胃管再建例には,その経路の如何に拘らず胃前庭部からWitzel式の胃瘻を作成,早期に経腸栄養に移行させ,退院時にも経口摂取量の不足を補う型で経腸栄養を補助とした在宅栄養管理を行うことは,職場早期復帰に寄与するばかりか高齢者では術後体力減退予防に有用である.
2)術後補助療法:食道癌は化学療法や放射線療法に反応する疾患であり,進行癌には補助療法が行われることが多い.施行に際しては癌告知と治療内容の十分な説明と同意が不可欠である.告知後は精神的負担に対し,治療中並びに外来での診察はきめ細かく行う.
3)術後のfollow up:術後のQOLの把握,再発病変の早期発見は術後2年以内に問題となることが多い.2次癌の発生は術後5年~10年経ても発生する.したがって術後長期にわたる定期的検診とそれに基づく生活指導が必要である.

キーワード
食道切除再建術, 経腸栄養, 補助療法, 再発, 異時性重複癌


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