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日外会誌. 97(5): 357-362, 1996


特集

乳癌領域の最近のトピックス

乳管内視鏡の進歩

1) 札幌医科大学 第1外科
2) 株式会社フジクラ 

岡崎 亮1) , 岡崎 稔1) , 平田 公一1) , 妻沼 孝司2)

I.内容要旨
乳管内視鏡検査は当初,硬性鏡を用いてはじめられ,内視鏡装置の改良と石英系ファイバースコープの導入によって乳管内微小病変を観察することが可能となった.石英系ファイバースコープの使用によって次第に末梢側乳管へ進入できるようになり,内視鏡所見は組織像や診断所見と対比されている.内視鏡検査を必要とする最も一般的な症候は腫瘤を触知しない乳頭異常分泌症であり,ファイバースコープは乳頭表面の乳管口から挿入される.癌の特徴的所見は乳管腔表面に沿って進展する表層進展型病変であり,乳管内乳頭腫の典型的所見とは異なる.確定診断を得るためにチューブキュレット細胞診のような微小検体採取法が行われている.乳管内視鏡検査は乳頭温存,乳房温存などの手術術式の決定に際して意義ある情報を提供するものと考える.

キーワード
非触知乳癌, 早期診断乳管内視鏡


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