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日外会誌. 97(5): 347-356, 1996


特集

乳癌領域の最近のトピックス

乳癌のMRI診断

1) 杏林大学 医学部放射線科
2) 杏林大学 医学部第2外科
3) 杏林大学 医学部病理

関 恒明1) , 蜂屋 順一1) , 似鳥 俊明1) , 横山 健一1) , 福島 久喜2) , 内ケ崎 新也3)

I.内容要旨
生活様式の欧米化に伴いわが国で増加傾向を示す乳癌に対し,乳腺腫瘤の検出において94~100%と高いsensitivityを誇るMRIがその早期発見に役立つのではないかと期待されている.しかしながら,false positive caseも多く経験され,診断基準の確立が急がれるところである.筆者らは独自に辺縁不整,内部不均一,dynamic曲線のパターン,腫瘤辺縁の輪状濃染像の有無を乳癌の判定項目に用いている.検査方法も施設により相違がみられるが,MRI造影剤Gd-DTPAを用いるdynamic MRIは診断精度を高める検査法であるといえる.ところで現在MRIの活用法としては,乳腺腫瘤における良・悪性の判定と乳癌の進展度などの術前評価に大別されるが,最近,治療法として注目を集めている乳房温存療法との関係から後者の重要性が増す傾向にある.

キーワード
ダイナミック MRI, 乳房温存療法, 多発乳癌


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