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日外会誌. 97(4): 312-316, 1996


特集

胃癌外科治療の最近の進歩

進行胃癌の補助化学療法

大阪府立成人病センター 外科

古河 洋 , 平塚 正弘 , 岩永 剛 , 今岡 真義 , 石川 治 , 甲 利幸 , 佐々木 洋 , 亀山 雅男 , 大東 弘明 , 中村 正二 , 中野 博史 , 安田 卓史

I.内容要旨
胃癌の補助化学療法は30年以上も前から行われてきた.歴史的にみて,5-FU,MMCなどの単剤にはじまり,MMC+5-FU,MMC+5-FU+cytosinearabinoside(MFC),5-FU+MMC+Adriamycin(FAM)などの多剤併用を経て現在はCDDP+5FU,MTX+5-FUなどの併用療法が行われている.その効果については,良いとする報告とそうでない報告があり,判断をつけ難い面がある.その原因として,1)こういったレジメンをつくる根拠になっているのは内科的治療における奏効率(response rate)であり,これはかならずしも生存期間の良さを指してはいないこと.2)生存期間に対する効果がそれほど大きくない場合にあっても対照を手術単独とするなど,結果を評価しやすいデザインになっていないこと,などがあげられる.今後,併用療法の研究を行うためには,(1)先に述べた問題点を考慮したデザインにすること,(2)「試験であることを正しく説明したインフォームドコンセントを得ることが必須である.

キーワード
補助化学療法, 進行胃癌, 5-FU, MMC, CDDP


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