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日外会誌. 97(1): 78-82, 1996


特集

門脈圧亢進症に対する治療の現況

B-RTO による胃穹窿部静脈瘤の治療

北海道勤医協中央病院 肝臓内科

金川 博史 , 香山 明一 , 後藤 賢一郎 , 川西 輝明 , 山崎 卓 , 美馬 聰昭

I.内容要旨
大循環系に流出する胃静脈瘤の治療法として我々が開発したB-RTOの特徴と今までの治療成績を報告する.B-RTOは大腿静脈もしくは内頸静脈からバルーンカテーテルを胃静脈瘤の流出路に挿入することのみで,今まで内視鏡治療に抵抗性であった胃穹窿部静脈瘤の治療を可能としたIVRである.現在までの施行症例は63例で,このうち胃静脈瘤の消失を確認したのは59例である.多くの例では側副血行路も消失するため他の側副血行路に与える長期的な問題点(特に臨床上問題となる食道静脈瘤に及ぼす影響),および我々が困難例として分類しているType 1bの今後の治療戦略等課題は未だ残されているが,胃穹窿部静脈瘤に対して比較的侵襲が少なく効果的な治療法と思われ,門脈圧亢進症に対する新たな視点によるIVRとして本法の現況も含め報告する.

キーワード
胃穹窿部静脈瘤, B-RTO, 門脈圧亢進症, 側副血行路, IVR


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