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日外会誌. 97(1): 55-63, 1996


特集

門脈圧亢進症に対する治療の現況

食道胃静脈瘤に対する直達手術
-食道離断術と Hassab 術-

順天堂大学 医学部第2外科

別府 倫兄 , 大橋 薫 , 大浦 慎祐 , 中西 亮 , 児島 邦明 , 深澤 正樹 , 二川 俊二

I.内容要旨
現在,食道静脈瘤に対する治療は内視鏡的硬化療法が主流となっているが,静脈瘤の再発,再出血の頻度は決して少なくない.筆者らが一貫して行ってきている経胸的食道離断術は静脈瘤消失効果が高く,長期的には再発が少ないこと,再出血が少ないこと,そして遠隔生存率も良好である.内視鏡治療に比し,外科手術は侵襲が大きいため手術適応が問題となるが,肝機能が良好なChild A,B症例であれば手術は安全に施行できる.今回は,術後15年の長期遠隔成績を供覧し,直達手術に伴う問題点を述べた.IPH,EHOや,肝硬変であってもChild Aの如く,長期予後が期待できる症例に対しては内視鏡的硬化療法よりも静脈瘤の再発,再出血の少ない直達手術を行うべきである.

キーワード
食道静脈瘤, 胃静脈瘤, 食道離断術, 門脈圧亢進症, Hassab手術


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