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日外会誌. 96(6): 402-405, 1995


症例報告

遺伝子解析で診断した肺原発B細胞型リンパ腫の1切除例

1) 赤穗市民病院 呼吸器科
2) 赤穗市民病院 外科

塩田 哲広1) , 金岡 正樹1) , 大嶋 眞一2) , 貝原 聡2) , 邉見 公雄2)

(1994年1月18日受付)

I.内容要旨
症例は76歳男性.生来健康であったが,平成5年7月の検診の胸部X線にて右中肺野の円形陰影を指摘され来院した.胸部断層写真及び胸部CT所見では陰影は右中葉にあり内部にair-bronchogramを認めた.経気管支肺生検の結果lymphoproliferative disorderと診断された.8月6日右中葉切除術を施行した.永久標本による病理所見では,成熟したリンパ球がmassiveに増生し,germinal centerの形成がみられ,明らかな異型性はみられなかった.また免疫染色の結果monoclonalityが認められなかった.この摘出標本の遺伝子解析の結果免疫グロブリンH鎖遣伝子の再構成バンドがみられ,腫瘍性のリンパ球増生が示唆された.すなわちpseudolymphomaではなく,B cell lymphomaと診断した.

キーワード
B リンパ腫 (B cell lymphoma), 偽リンパ腫 (pseudolymphoma), 遺伝子解析 (gene analysis)


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