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日外会誌. 96(5): 314-317, 1995


症例報告

小腸間膜より発生した Spontaneous Mesenteric Fibromatosis の1例

神戸大学 医学部第1外科

吉栖 一生 , 長畑 洋司 , 土田 忍 , 川北 直人 , 和田 哲成 , 山本 正博 , 斎藤 洋一

(1993年5月29日受付)

I.内容要旨
Fibromatosis(線維腫症)は線維性組織の著明な増殖と浸潤性発育を示すものの非転移性であることを特徴とする良性腫瘍で,腹壁四肢などに発生することが多く腸間膜に発生することは稀である.今回,小腸間膜に発生し徐々にイレウス症状が増強したMesenteric fibromatosisの1例を経験したので報告する.
症例は54歳男性,主訴は心窩部痛および嘔吐で,画像診断から腹部腫瘤による機械的イレウスと診断し,腫瘤および小腸の合併切除を施行した.腫瘤は回腸間膜に存在し,発生部位が腸管に近接していたため比較的早期にイレウス症状を呈したと考えられた.

キーワード
Mesenteric fibromatosis


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