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日外会誌. 96(5): 309-313, 1995


原著

腹腔鏡下胆囊摘出術における連続回転CTスキャナの有用性

1) 関西医科大学 第1外科
2) 関西医科大学 第2外科

權 雅憲1) , 上辻 章二1) , 朴 常秀2) , 山田 修1) , 井上 知久1) , 上山 泰男1)

(1994年1月10日受付)

I.内容要旨
当科にて腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC) を施行した58例(総胆管結石合併8例を含む)を対象とした.全例に術前に経静脈性胆道造影(DIC)併用下スパイラルCT(DIC-SCT)検究を行った.この検査法は胆道造影剤を点滴静注した後,連続回転するCTスキャナの中を被検者を連続的に移送し,得られたスパイラルデーターから3次元画像を再構成するものである.また16症例に対しては内視鏡的逆行性胆道造影(ERC)とDIC-SCTを施行し,胆嚢,胆管,三管合流部の描出率を比較検討した.DIC-SCTおよび従来のDICの胆嚢描出率はそれぞれ86.2%(50/58) および63.8%(37/58) であった.また三管合流部の描出率はDICでは31.0% (18/58),DIC-SCTでは84.5% (49/58) となり,胆嚢および胆嚢管合流形態ともにDIC-SCTがDICに比し描出率に優れ,有意差を認めた.DICとERCおよびDIC-SCTの三管合流部の描出率を比較すると,ERCでは87.5% (14/16),DIC-SCTでは81.3%(13/16),DICでは25.0% (4/16) となった.ERCおよびDIC-SCTと従来のDICとの間に有意差を認めた.DIC-SCTは非侵襲かつ簡便な術前検査であり,LC時の胆管損傷などの合併症の予防に有用であると考えられた.

キーワード
Spiral CT, laparoscopic cholecystectomy, drip infusion cholangiography (DIC), endoscopic retrograde cholangiography (ERC)


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