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日外会誌. 95(11): 843-846, 1994


症例報告

von Recklinghausen 病に合併した悪性血管内皮腫の 1 例

大阪市立大学 医学部第2外科
*) 大阪市立大学 医学部第2病理

金沢 景繁 , 東野 正幸 , 塩川 智司 , 大杉 治司 , 木下 博明 , 山本 隆嗣*) , 桜井 幹己*)

(1993年5月11日受付)

I.内容要旨
von Recklinghausen病(以下VRDと略す)は種々の原因による出血性病変を合併する事が知られているが,最近,悪性血管内皮腫を合併し多彩な出血をきたしたVRDの一例を経験したので報告する.症例は後腹膜腫瘍を指摘されていたVRDの68歳女性.吐下血のため緊急入院.後腹膜腫瘍摘出約1カ月後突然,腹腔内出血,その後胸腔内出血,気道出血をきたし死亡した.剖検時肝,肺に多数の転移性腫瘍と腹膜播種を認め,病理組織検査で悪性血管内皮腫と診断した. VRDは種々の悪性腫第を合併する事も知られており,出血性病変の原因の1つとして悪性腫瘍を念頭におく事は,治療方針を決める上で重要である.しかしVRDと悪性血管内皮腫の合併例は極めて稀で,欧米で数例の報告があるのみで,本邦の報告例はみられない.

キーワード
von Recklinghausen 病, 悪性血管内皮腫, 出血性病変


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