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日外会誌. 95(2): 126-128, 1994


症例報告

高齢者大動脈縮窄症の1手術治験例

都立広尾病院 心臓血管外科

林辺 義人 , 中川 哲郎 , 吉田 哲矢 , 後藤 一雄 , 前村 大成 , 紺野 進

(1992年8月6日受付)

I.内容要旨
高齢者大動脈縮窄症の1手術治験例を経験した.症例は55歳女性で,肺炎にて当院へ入院中偶然上肢血圧と下肢血圧の差に気づかれ,精査の結果,本症と診断された.それまでは高血圧症以外に他・自覚症状ともにみられなかった.心カテーテル検査では縮窄部に100mmHgの圧較差が,大動脈造影では高度かつshort segmentalな縮窄と著名な内胸動脈及び肋間動脈の発達がみられた.以上より成人大動脈縮窄症と診断し,左側方開胸にて縮窄部切除端々吻合を行った.術後は高血圧症も改善し,圧較差も消失した.本症例は文献上本邦最高齢者の大動脈縮窄症手術例と思われた.

キーワード
高齢者, 大動脈縮窄症, 外科治療

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