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日外会誌. 94(12): 1313-1316, 1993


症例報告

鈍的外傷による大腿動静脈閉塞症の1手術治験例

都立広尾病院 心臓血管外科

佐藤 眞明 , 吉田 哲矢 , 林辺 義人 , 後藤 一雄 , 前村 大成 , 紺野 進

(1992年6月15日受付)

I.内容要旨
鈍的外傷による大腿動静脈閉塞症の1例を経験したので報告する.症例は61歳男性で,角材の角で右鼠径部を打撲し,約1カ月後に右下肢の浮腫および間歇性跛行が出現した.血管造影により右大腿動静脈閉塞症と診断し,右総腸骨ー総大腿動脈バイパス術および右大腿静脈血栓除去術を行った.鈍的外傷による大腿動脈閉塞はまれであり,初期には虚血症状がはっきりせず見逃されやすい.さらに静脈損傷は動脈損傷にマスクされることがあり,注意すべき1例と思われた.

キーワード
鈍的外傷, 大腿動静脈合併損傷


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