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日外会誌. 94(11): 1194-1200, 1993


原著

肝内胆管癌切除例の検討:
肉眼病型分類とその臨床病理学的特徴

国立がんセンター 外科
信州大学 医学部第1外科

山本 順司 , 小菅 智男 , 島田 和明 , 高山 忠利 , 山崎 晋 , 尾崎 秀雄 , 幕内 雅敏

(1992年8月10日受付)

I.内容要旨
外科切除された肝内胆管癌19例を肉眼形態から腫瘤形成型 (13例),浸潤型 (5例) および特殊型の乳頭型 (1例) に分類しその特徴を臨床病理学的に検討した.腫瘤形成型は肝内に明らかな腫瘤を形成し,血管侵襲・神経浸潤などの腺癌の性質の他に肝細胞癌に見られるような肝内転移性進展も高率に示した.浸潤型は胆管の狭窄と閉塞およびグリソン鞘に沿った浸潤性進展を示した.再発形式も腫瘤形成型が非連続性の肝内外転移を高頻度におこしたのに対し,浸潤型では切除断端陽性例での局所再発1例のみであった.腫瘤形成型3例と乳頭型1例の計4例が術後5年以上生存した.肝末梢の腫瘤形成型肝内胆管癌に対しては肝内転移性進展に対する広範な肝切除術が必要であり,肝中枢にある腫瘤形成型肝内胆管癌や浸潤型肝内胆管癌には,肝切除術に加え肝門部リンパ節・結合組織の郭清を行い,必要な場合には肝外胆管の合併切除を施行すべきと考えられた.

キーワード
肝内胆管癌, 外科治療, 組織学的進展様式, 再発形式


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