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書誌情報]
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日外会誌. 94(9): 1064-1067, 1993
症例報告
肝門部胆管癌と鑑別困難な炎症性腫瘤の 1 例
-Inflammatory pseudotumor 類似病変-
I.内容要旨症例は73歳,男.2週間前からの全身倦怠感と黄疸を主訴に入院した.入院時の血清総ビリルビンは22.0mg/dlと上昇し,腹部超音波検査およびcomputed tomographyで肝門部に2.2×1.7cm大の腫瘤を認め,上流側胆管は拡張していた.肝左葉外側区域および右葉前区域からそれぞれ経皮経肝胆管ドレナージを施行すると,左右肝管は合流部直前でそれぞれ先細り状に閉塞していた.総肝動脈造影で右肝動脈は伸展され,軽度の狭窄を呈した.肝門部胆管癌の診断で尾状葉合併拡大肝右葉切除,胆管切除および左肝内胆管空腸 Roux-Y吻合術を施行した.肝門部に2.1×1.9×1.5cm大の腫瘤を認め,胆管内腔には表面平滑な隆起を認めたが,腫瘤の大部分は胆管壁外に発育していた.組織学的に腫瘤は線維性組織で構成され,悪性所見はなく,炎症性腫瘤と考えられた.原発性硬化性胆管炎とは異なった増殖形態を示し,inflammatory pseudotumor類似の病変と考えられた.
キーワード
肝門部炎症性腫瘤, 原発性硬化性胆管炎, inflammatory pseudotumor
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