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日外会誌. 94(9): 1061-1063, 1993


症例報告

胸腺腫摘出後発症した多発性結腸癌の 1 例

日本大学 医学部第2外科

秦 光賢 , 根岸 七雄 , 新野 成隆 , 前田 英明 , 鈴木 克行 , 大畑 正昭 , 瀬在 幸安

(1992年4月24日受付)

I.内容要旨
重症筋無力症合併胸腺腫にて,胸腺摘出術施行後4年目に,多発性結腸腫瘍が発生した稀な症例を経験した.患者は62歳女性で主訴は下血,下痢である.下血精査のため入院,注腸造影にて,回盲部より横行結腸にかけて,4カ所の腫瘍陰影を認め,結腸癌の診断下に,拡大右半結腸切除術を施行した.術後経過は良好で,第29病日に退院となった.病理学的には,胸腺腫は浸潤型胸腺腫で,結腸癌は病理学的には5カ所認められ,それぞれ異なった組織像を呈した.胸腺腫と,胸腺外悪性腫瘍の関連性について,当院報告例と外国文献とを検討して報告する.

キーワード
胸腺腫, 重症筋無力症, 多発性結腸癌


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