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日外会誌. 94(9): 1057-1060, 1993


症例報告

回盲部腸間膜原発の平滑筋肉腫の 1 例

大津市民病院 外科

里村 一成 , 入江 明美 , 伊藤 雅夫 , 壺井 和彦 , 入江 龍一 , 南部 裕和 , 川部 克己

(1992年6月29日受付)

I.内容要旨
腸間膜原発の腫瘍は稀な疾患である.中でも平滑筋肉腫は,本邦で報告されているのは26例にすぎない.56歳の女性の回盲部腸間膜原発の平筋滑肉腫を経験したので報告した.原発部位の同定が困難とされている回盲部腸間膜原発であったが,術前のCT,MRI検査において回腸末端が腫瘤を取り囲み下方へ圧排されている像,及び血管造影において栄養血管が回盲動脈に限局されている点から腸間膜原発と診断しえた.従来,腸管膜原発と診断するには血管造影と手術所見によるしかなかったが,画像診断の発達により術前により明確に原発部位の同定,腫瘍の進展状態がとらえられるようになり,手術の安全性が向上した.

キーワード
平滑筋肉腫, 腸間膜腫瘍, 画像診断


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