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日外会誌. 94(4): 427-430, 1993


症例報告

中心静脈カテーテル留置に合併した下大静脈血栓症の1例

松山赤十字病院 心臓血管外科
*) 松山赤十字病院 外科

河野 博之 , 松井 完治 , 若杉 健三*) , 松坂 俊光*) , 藤永 裕*)

(1991年9月3日受付)

I.内容要旨
胃潰瘍からの大量出血のため入院した47歳の女性に対して, 右大腿静脈より中心静脈カテーテルを挿入留置したが, 1週間後の上腹部超音波検査中, 偶然下大静脈内のカテーテル周囲に血栓を発見した.超音波検査により血栓は可動性に乏しいことが判明したためカテーテルを抜去したが, その後肺塞栓症状の出現もなく, 2週間後には血栓はほぼ完全に消失した.中心静脈カテーテル留置に合併した静脈血栓症に対しては血栓溶解療法が適応となると考えられるが, 血栓に可動性が乏しいと判断された場合には, 通常のカテーテル抜去が可能であると思われた.

キーワード
中心静脈カテーテル, 血栓, 肺塞栓症


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