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日外会誌. 94(4): 329-333, 1993


原著

Gテストを用いたカンジダ培養液中のグルカン濃度の測定

名古屋大学 医学部第2外科
*) 名古屋大学 医真菌研究部門
**) 生化学工業 

加藤 秀幸 , 中尾 昭公 , 神戸 俊夫*) , 田中 健治*) , 田村 弘志**) , 田中 重則**) , 高木 弘

(1991年10月4日受付)

I.内容要旨
深在性真菌症の診断は困難なことが多い.従来, 血中エンドトキシンの測定に用いられてきたリムルステストは, 真菌の菌体成分である(1→3)-β-D-glucanにも反応することが明らかとなった.グルカンに活性化され, エンドトキシンには活性化されないリムルステストの因子はfactor Gであることが判明している.このfactor Gに始まる活性化経路を用いたGテストは微量のグルカンとよく反応する.今回, Gテストによって, RPMI 1640培養液におけるCandida albicansのin vitro増殖及び好中球や抗真菌剤の存在下での培養液中のグルカン値を検討し, Gテストの真菌症診断への応用の可否を考察した.その結果カンジダの増殖と培養液中のGテスト値の変動は平行した.また好中球によるカンジダの貪食, 消化時においても, 培養液中のGテスト値は上昇していた.Gテストは, in vitroにおけるカンジダの増殖状態をよく反映し, 臨床においても深在性真菌症の診断や治療効果判定に応用可能と考えられた.

キーワード
Gテスト, 真菌症, (1→3)-β-D-glucan, Candida albicans

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