[書誌情報] [全文PDF] (514KB) [会員限定・要二段階認証][検索結果へ戻る]

日外会誌. 94(3): 311-313, 1993


症例報告

馬蹄腎を合併した腹部大動脈瘤の手術治験例

社会保険広島市民病院 心臓血管外科

吉田 英生 , 寒川 顕治 , 小岡 英夫 , 山本 修 , 大庭 治 , 塩手 章弘

(1991年9月3日受付)

I.内容要旨
馬蹄腎を伴った腹部大動脈瘤の1手術例を経験したので報告する.症例は61歳男性.主訴は左腹部痛で, 腹部CTにて血栓を伴う最大径5cmの腹部大動脈瘤(AAA)および馬蹄腎を認めた.血管造影ではinfrarenal typeのAAAで, 瘤より副左腎動脈が分枝していた.腎機能等は正常であった.術中所見では5cm径のAAAであり, 瘤状変化は両側総腸骨動脈にまで及んでいた.馬蹄腎峡部(幅3cm)が瘤の腹側にあり剝離は比較的容易であり, 下腸間膜動脈の左方方より刷左腎動脈が分枝していた.Y字型人工血管を用いて左腎動脈直下より瘤内人工血管置換を行い, 下腸間膜動脈は結紮切離し副左腎動脈は再建した.術後血管造影では副左腎動脈の血流は良好であった.本邦報告6例目であり, 他5例と比較検討し報告する.

キーワード
腹部大動脈瘤, 馬蹄腎

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。