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日外会誌. 94(2): 182-184, 1993


症例報告

妊娠を契機に発症した Ogilvie’s Syndrome の1治験例

鹿児島大学 医学部第2外科

西田 聖剛 , 田中 紘輝 , 川路 博之 , 浜田 信男 , 大野 隆 , 平 明

(1991年7月6日受付)

I.内容要旨
妊娠を契機に発症したOgilvie's Syndromeの1例を経験したので報告する.症例は23歳女性で妊娠28週時及び分娩直後にOgilvie's Syndromeを発症した.初回はイレウス管を挿入し保存的治療を試みたが, ガス像の改善なく腸管穿孔が危惧され, 横行結腸にtube colostomyを造設し軽快した.分娩直後は大腸ファイバーによる脱気及びCisaprideの内服により軽快した. Ogilvie's Syndromeは機械的狭窄を認めない機能的結腸閉塞症をいい種々の基礎疾患に続発することが多い.治療は大腸ファイバーによる脱気が第ー選択で, 腸管径が12cmを越えると穿孔の危険があり盲腸痩, 結腸瘻造設などが選択となる.妊娠に合併した報告は本邦第1例目と考えられる.

キーワード
Ogilvie’s syndrome, 妊娠, Cisapride


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