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日外会誌. 93(5): 553-555, 1992


症例報告

甲状腺癌局所再発に対してOK-432局所注入が有効であった1例

慶應義塾大学 医学部外科

加藤 良一 , 小林 照久 , 渡辺 真純 , 川村 雅文 , 菊池 功次 , 小林 紘一 , 石原 恒夫

(1991年2月21日受付)

I.内容要旨
67歳の女性の分化型甲状腺癌局所再発に対してOK-432,1回当たり10KEを2~4週毎に再発腫瘍内に直接注入した.局注開始9カ月で局所の腫瘍は瘢痕様組織となり,開始前にあった再発腫瘍からの出血はなくなっていた.その後に出現した局所再発に対してもOK-432局注を行い腫瘍の縮小をみた.しかし併存した肺転移は増大し続けた.現在局注開始2年を経ているが,局所の再発は良好にコントロールされている.分化型甲状腺癌局所再発に対するOK-432局注療法は根治的療法とはなりえないが, quality of lifeを向上させる上で有効と考えられた.

キーワード
甲状腺癌, OK-432局所注入

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