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日外会誌. 92(10): 1520-1523, 1991


症例報告

慢性心不全症状で発症した腹部大動脈瘤下大静脈穿破の治療経験

兵庫県立姫路循環器病センター 心臓血管外科

杉本 貴樹 , 小川 恭一 , 麻田 達郎 , 向原 伸彦 , 西脇 正美 , 樋上 哲哉 , 河村 剛史

(1990年9月10日受付)

I.内容要旨
腹部大動脈瘤が下大静脈に破裂し動静脈瘻を形成した稀な症例を経験した.患者は62歳男性で主訴は労作時呼吸困難,下肢の浮腫である.当初他院で強心利尿剤の投与をうけたが症状が徐々に増悪し,腹部に大動脈瘤が認められ本院に入院した.入院時肝機能障害,肝腫大も認められた.動脈瘤が腎動脈分岐直下より認められたため,腎灌流下にY型人工血管置換,瘻孔閉鎖術を行った.術後経過は良好で心不全症状,肝機能障害は消失した.本邦報告例の検討を加え報告する.

キーワード
腹部大動脈瘤破裂, 動静脈瘻, 心不全


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