[書誌情報] [全文PDF] (2076KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 92(7): 889-892, 1991


症例報告

頸部食道癌術後にガス壊疽にて急死した1例

日生病院 外科
*) 日生病院 病理部

森 匡 , 宗田 滋夫 , 大嶋 正人*)

(1990年8月6日受付)

I.内容要旨
症例は74歳女性,頸部食道癌にて手術を施行した.術後急激に腹部膨満および高熱が出現し,ショック状態に陥り死亡した.病理解剖にて全消化管および肝のみが壊死に陥り,いずれも多数の気泡を認めた.全消化管と肝の塗抹標本にてClostridium septicumが検出されガス壊疽と診断された.術後感染症のなかで消化管と肝に限局したClostridium感染症の報告例はない.また腹部単純写真で多量の消化管ガス像,腸壁内ガス像および門脈内ガス像が認められ,消化管に発症したガス壊疽の診断に重要な所見であると思われた.

キーワード
ガス壊疽, 非外傷性, Clostridium septicum


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。