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日外会誌. 92(6): 753-756, 1991


症例報告

代用血管を用いた大腿静脈血行再建術

自治医科大学 胸部外科
*) 自治医科大学 整形外科

大原 務 , 福島 鼎 , 長谷川 嗣夫 , 大木 勲*)

(1990年7月4日受付)

I.内容要旨
2例の大腿部脂肪肉腫に対し腫瘍と大腿動静脈を切除し,expanded polytetrafiuoro-ethylene graft(以下ePTFEグラフト)を用いて両血管の再建を行ったので報告する.症例1は51歳男性,左大腿部脂肪肉腫と大腿動静脈を切除後,動脈は直径6mm長さ27cm,静脈は直径6mm長さ11cmのePTFEグラフトで再建した.しかし静脈グラフトは術後早期に閉塞した.症例2は33歳男性,右大腿部脂肪肉腫と大腿動静脈を切除後,動脈は直径6mm長さ10cm,静脈は直径8mm長さ9cmのリング付きePTFEグラフトを用いて再建し,末梢側に静脈枝で動静脈痩を作成した.3カ月後に動静脈痩を閉鎖,7カ月後の血管造影で静脈グラフトの良好な血行が確認された.末梢静脈グラフトの開存維持にはリング付きePTFEグラフトと一時的動静脈痩が有用と考えられた.

キーワード
静脈再建, ePTFE graft, 動静脈瘻


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