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日外会誌. 92(1): 52-56, 1991


原著

膵頭十二指腸切除術における術後脂肪消化
吸収試験より見た再建術式の検討

1) 千葉大学 医学部第2外科
2) 千葉県ガンセンター 外科

坂本 昭雄1) , 碓井 貞仁1) , 高石 聡1) , 鍋谷 圭宏1) , 奥山 和明1) , 磯野 可一1) , 竜 崇正2)

(1990年2月2日受付)

I.内容要旨
膵頭十二指腸切除術における再建術式としてBillroth I法型式の今永変法とBillroth II法型式のChild変法を,安定同位元素13C標識中鎖脂肪を用いて脂肪消化吸収の面より検討した結果,
1)13C-octanoic acid,13C-trioctanoin投与後の呼気中13C質量比は今永変法群で速やかな上昇を認めた.
2)13C-octanoic acid,13C-trioctanoin投与後の呼気中13C最高質量比出現時間は今永変法で速い傾向となった.
3)13C-octanoic acid呼気中回収率は両群間に差は認められなかったが,13C-trioctanoin呼気中回収率は有意(p<0.05)に今永変法が良好であった.
以上より膵頭十二指腸切除術後の脂肪消化吸収能より見ると,Billroth I法型式の今永変法はII法型式のChild変法に比べてより良い再建法と思われた.

キーワード
膵頭十二指腸切除術, 再建術式, 脂肪消化吸収試験, 13C-octanoic acid, 13C-trioctanoin


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