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日外会誌. 91(8): 1044-1047, 1990


症例報告

ABO血液型不適合生体腎移植の1経験例

佐賀県立病院好生館 外科

川見 弘之 , 白水 倶弘 , 森 康昭 , 米村 智弘 , 矢山 利彦 , 岡 直剛 , 井口 潔

(1989年8月25日受付)

I.内容要旨
腎移植の提供者の不足という状況下で諸外国では既に血液型不適合間の腎移植が行われている.本邦における報告は未だ希少であるが,今回私共は移植前,血漿交換に加え提供者と同じB型の凍結血漿を用いて受腎者(O型)の血漿中の抗B抗体の除去を行い,B型の提供者(母親)よりO型の受腎者(子)への腎移植を行った.移植前の抗体価の減少はスムースに行われ,移植後4ヵ月程度の時点ではあるが経過良好である.血液型不適合間の腎移植の可能性を発展させる症例であると考え報告した.

キーワード
血液型不適合, 腎移植, 血漿交換


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