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日外会誌. 91(6): 774-777, 1990


症例報告

腸管外血管病変を合併した Crohn 病の1例

久留米大学 医学部第2外科

山名 一有 , 小須賀 健一 , 浦口 憲一郎 , 清水 勉 , 藤野 隆之 , 大山 和彦 , 大石 喜六

(1989年7月11日受付)

I.内容要旨
Crohn病の病態と腸管虚血との関連性が重要視されており,腸管の動脈の血行動態的,組織学的変化も証明されている.また腸管外病状としての血管病変合併例も多数報告されているが,いずれも原因は不明である.腸管外血管病変のなかで,動脈血栓症合併は非常に稀であり本邦報告例にはみられないようである.今回,その1症例を経験したので報告する.症例は43歳男性で,7年前より腹部膨満感,腹痛が出現し,2度にわたり小腸切除を施行.そのときの腹部血管造影では上腸間膜動脈と右肝動脈に狭窄像を認めた.またその間に右外腸骨動脈閉塞を来しilio-femoral bypassを施行.その後人工血管(PTFE)の閉塞をきたし,ilio-femoral crossover bypassを行った.病理学的には硬化性病変はなくintimal thickeningの像を呈していた.

キーワード
Crohn 病, 血管炎, 血栓症


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