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書誌情報]
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日外会誌. 91(5): 649-651, 1990
症例報告
四重複癌の1例
I.内容要旨乳癌,腎癌,肝癌,子宮癌を合併した4重複癌の1例を経験した.症例は74歳女性.1974年子宮頸癌にて放射線療法が施行されている.左乳腺腫瘤を主訴に当科を受診し,諸検査の結果,左乳癌と診断された.さらに腹部超音波検査にて,左腎中部に壊死を伴う充実性腫瘍陰影を認め腎癌と診断した.また,肝のS
7に中心エコーを有しmosaic patternを呈する腫瘍像を認め肝癌と診断した.乳房,腎,肝の3つの腫瘍はいずれも切除可能と思われたが,放射線性膀胱炎による膀胱出血がコントロールできず失った.病理解剖診断は,①乳癌;充実性腺管癌,②腎癌;腎細胞癌,③肝癌;肝細胞癌,④子宮癌(治療前の生検診断);扁平上皮癌であった.以上より4重複癌と診断した.本症例のごとく肝癌と,乳癌,腎癌,子宮癌の合併例,さらにGrawitz腫瘍と子宮癌の合併例は,本邦はもちろん諸外国においても報告例がきわめて少ない.
キーワード
4重複癌
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