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書誌情報]
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日外会誌. 91(1): 130-141, 1990
原著
重症筋無力症に対する胸腺摘出術の効果
I.内容要旨1972年から1988年の間に,重症筋無力症患者に施行された拡大胸腺摘出術のうち,1年以上経過観察された42例について,予後を検討した.その結果,寛解率21.4%・改善率61.9%・有効率83.3%であった.
また,胸摘の効果に影響を与える可能性のある因子について改善程度に関する比較検討を行った.臨床病型・性別・年齢・発症年齢・術前治療の有無・摘出胸腺の組織学的所見などでは統計的有意差を認めなかったが,病悩長期間群の低寛解率傾向や,術後管理難渋群の低有効率傾向が認められた.
一方,寛解率・有効率の経年推移を検討し,寛解率は1年目11.8%・2年目16.1%・3年目17.4%と上昇傾向を認め,また有効率は1年目91.2%・2年目90.3%・3年目87.0%・4年目83.3%と僅かな下降傾向を認めた.
さらに因子別の経年推移も比較検討した.経年推移を回帰直線の傾きとして算出後,共分散分析を用いて比較した.手術時年齢・発症年齢・術前治療の有無などは術後の経年的寛解傾向に影響が少なく,性別・胸腺腫の有無・IIB型における呼吸症状の有無・病悩期間・術後管理難易などは胸摘の効果に影響を与える可能性のあることが示唆された.
キーワード
重症筋無力症, 胸腺摘出術
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