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日外会誌. 89(12): 1939-1942, 1988


総説

最近の脳神経外科学の展望

杏林大学教授 
第45回日本脳神経外科学会会長 

竹内 一夫

I.内容要旨
約2年前に行われた第45回日本脳神経外科学会総会の主要テーマを中心に,最近の脳神経外科学のトピックスを紹介した.この学会には,良い意味ですでに固定したスタイルができているが,会長としてはその中に何らかの新しい試みを導入せんものと苦心したところである.そのため,これらテーマの選択にあたつても,特定領域に片寄ることなくしかも脳外科以外の関連領域にも目を配つて,できるだけ広い視野で選択したつもりである.またすでにマンモス化し,急速に国際化しつつある本学会を,少しでも真に討論の場とすべく昼食時を利用して,少人数でそれぞれのエキスパートを交えて本音を話し合う機会を持つことができるよう工夫した.その他,特定の領域に属さない脳外科共通の諸問題,特に倫理的な問題をとりあげ,単なる学術発表にとどまらず,我々の日常活動を反省する機会を持ちたいと考えた.欧米諸国に遅れて戦後スタートした我国の脳神経外科学も,今や第3世代を迎えている.この間,多くの先人の努力により世界のトップレベルに成長したことは,まことに喜ばしい.学会を終えてふり返つてみると,後に続く多くの若い脳外科医により将来の飛躍にも期して待つべきものがあることを痛感した次第である.

キーワード
脳神経外科の展望


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