日外会誌. 89(10): 1730-1733, 1988
症例報告
感染性脳動脈瘤を合併した感染性心内膜炎
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久留米大学 医学部第2外科 青柳 成明 , 小須賀 健一 , 田中 攻 , 西 義勝 , 大石 喜六 (昭和62年12月17日受付) |
感染性脳動脈瘤を合併する感染性心内膜炎では感染源の弁切除を先行するか，あるいは脳動脈瘤に対する手術を先行するかは重要な問題である．
クモ膜下出血で入院し，両側中脳動脈瘤（右側破裂）と診断された49歳の女性症例を経験した．破裂脳動脈瘤のneck clipping後，重症の心不全となり僧帽弁置換術を行つた．
動脈血培養は陰性であつたが，検査所見および術中所見から感染性心内膜炎による僧帽弁閉鎖不全症と感染性脳動脈瘤と診断した．
術中術後を通じて左側脳動脈瘤の破裂もなく順調に経過し，現在左側脳動脈瘤に対する手術を待機している．
開頭術，あるいは開心術のどちらを先行するかは，臨床症状の重篤さで決定されるべきであるが，弁置換を先行した場合は，脳動脈瘤の破裂防止のため術後早期に開頭術を行うことが望ましい．
キーワード
感染性心内膜炎, 感染性脳動脈瘤, 神経合併症, 弁置換術, 開頭術
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