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日外会誌. 89(10): 1722-1725, 1988


症例報告

乳癌放射線照射後に発生した Malignant Fibrous Histiocytoma の 1 例

徳島大学 医学部第2外科学教室

乾 浩三 , 森本 忠興 , 駒木 幹正 , 山本 弘幸 , 門田 康正

(昭和62年9月30日受付)

I.内容要旨
49歳女性,右第2肋間胸骨旁部皮下に,皮膚と癒着した弾性硬の小腫瘤が発生した.同部位には,5.3年前に乳癌根治術後,60Coによる放射線治療(計5,000rads)が施行されていた.腫瘤の病理組織診断は悪性線維性組識球腫(MFH)であった.腫瘤摘出術後8カ月して同部位に再発した.再切除術後局所再発はなかったが,MFH診断後2年3カ月して死亡した.本症例を含めて乳癌放射線照射後MFH報告例は,文献上17例と少ない.これらの発生部位は前胸部,鎖骨上窩に多く,平均被放射線量5,623rads,照射後よりMFH診断までの平均期問11.3年であり,腫瘍の広範切除術施行例に生存が多かつた.

キーワード
放射線照射後肉腫, 乳癌, 悪性線維性組織球腫


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