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日外会誌. 89(8): 1306-1309, 1988


症例報告

胆嚢原発悪性線維性組織球腫の1例

神戸大学 医学部第2外科

笹田 明徳 , 柳川 昌弘 , 林 悟 , 喜多 泰文 , 吉村 雅裕

(昭和62年8月7日受付)

I.内容要旨
胆嚢原発の悪性線維性組織球腫 (Malignant Fibrous Histiocytoma: MFH)の1例を経験した.症例は75歳女性で,発熱,腹痛を主訴として来院し, CT, Echo, PTC等より,胆嚢腫瘍の診断のもとに開腹した所,腫瘍は小児頭大,肝右葉下面に接し,十二指腸下行脚,上行結腸から横行結腸にかけてその腸間膜とも強固に癒着しており,右半結腸合併切除を行い摘出した.
病理組織学的には,胆嚢原発でpleomorphic typeのMFHと診断された.
MFHは,成人軟部悪性腫瘍の中では最も頻度が高いが,胆嚢原発は極めて稀で,自験例を含め本邦報告例は4例にすぎないので,文献的考察を加え報告した.

キーワード
胆嚢, 悪性線維性組織球腫 (Malignant fibrous histiocytoma), striform pattern


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