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書誌情報]
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日外会誌. 89(2): 286-291, 1988
症例報告
過機能性甲状腺癌の1例
I.内容要旨76歳女性.甲状腺右葉に9×5cmの大きな腫瘤があり,動悸と震顫を訴える.さらに右鎖骨上窩に腫大したリンパ節をふれ,胸部レ線写真で右肺野に転移を思わせる円形陰影が認められる.この腫瘤は
123Iシンチグラムでhotであり,血中T
4,T
3は高値を示した.右鎖骨上リンパ節生検の結果甲状腺濾胞癌の転移と判明した.以上の所見から中毒性甲状腺癌と考えた.メルカゾール投与後,甲状腺全摘と頸部リンパ節郭清を行ない,さらに
123I治療を行なつた.甲状腺腫瘤は組織学的にやはり濾胞癌であつた.現在,術後14ヵ月を経過し,健在である.
過機能性甲状腺癌は稀なもので,文献的にわれわれが探し得た報告は3例にすぎないが,hotで,しかもhyperfunctioningな甲状腺結節が,必ずしも良性ではないことを銘記すべきである.
キーワード
甲状腺機能亢進症, 甲状腺癌
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