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日外会誌. 88(10): 1499-1502, 1987


症例報告

後腹膜腔に発生したperipheral neuroepitheliomaの1例

1) 鹿児島大学 医学部第2外科
2) 国立南九州中央病院 外科
3) 国立南九州中央病院 放射線科

東 哲秋1) , 豊平 均2) , 丸古 臣苗2) , 田畑 伝次郎2) , 浜田 信男1) , 西村 基2) , 牧野 正興3)

(昭和61年11月7日受付)

I.内容要旨
後腹膜腔に発生した神経上皮腫の1例を経験した.患者は30歳男性で術前germ cell tumorを疑い,昭和60年5月開腹術を行った.腫瘤を一塊として摘出,右睾丸も合併切除した.組織学的診断はperipheral neuroepitheliomaであった.術後局所照射,化学療法の併用にもかかわらず, 7カ月目に局所再発,肝転移のため死亡した.
本症は極めて稀で,本邦報告例も20例を数えるにすぎない.好発部位は四肢で,後腹膜腔での発生は本症例が本邦第1例目であり,外国の文献でもBolenらの1例をみるのみである.本症は,治療に抵抗性で予後は悪く,生存期間も短かい.術前よりの綿密な治療方針と術後の局所再発防止が重要である.

キーワード
neuroepithelioma, 後腹膜腫瘍


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