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書誌情報]
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日外会誌. 88(8): 955-961, 1987
原著
切除不能な骨盤内悪性腫瘍に対する外科的処置を付加した超選択的動脈塞栓術の経験
I.内容要旨進行骨盤内悪性腫瘍3例(再発子宮癌1例,直腸癌1例,再発直腸癌1例) にたいし止血,抗腫瘍効果,除痛を目的として超選択的TAEを無水エタノールやゼラチンスポンジ細片を用いて行った.子宮癌,直腸癌例はそれぞれTAE後6日目, 2カ月目に敗血症と再出血にて死亡した.再発直腸癌例はTAE 1年後腫瘍増悪を認めず外来にて経過観察中である.
本TAE施行により予想される合併症の膀脱壊死,尿路閉塞,直腸壊死,腸閉塞,腹膜炎等に対しては尿路変更術,人工肛門造設術,開腹排膿術等の外科的処置をTAE前,後に積極的に,予防的に付加した.偶発的合併症は1例にカテーテル剌入部の血腫, 1例に右座骨神経麻痺を認めた.
以上進行骨盤内悪性腫瘍に対する本TAEは上記外科的処置を必要とするが,他に有効な治療法がない場合,延命および日常生活改善効果を持つ1つの治療法と考えられる.
キーワード
進行骨盤内悪性腫瘍, TAE, 無水エタノール, 開腹排膿術, 尿路変更術
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