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日外会誌. 88(4): 489-492, 1987


症例報告

後腹膜にみられた mucinous cystadenoma of boderline malignancy の 1 例

名古屋大学 医学部第2外科
*) 名古屋大学附属病院 検査部病理室

永田 二郎 , 山内 晶司 , 寺部 啓介 , 渡辺 正 , 市橋 秀仁 , 高木 弘 , 中島 伸夫*)

(昭和61年6月11日受付)

I.内容要旨
後腹膜にみられた悪性嚢胞腺腫の1例を経験した.症例は41歳女性で左下腹部腫瘤,下腹部鈍痛を主訴として来院した.CT,超音波,注腸透視等より後腹膜嚢腫の診断の下に開腹するとS状結腸の左側後腹膜より発生した嚢腫で容易に摘出でき,病理組織学的にはmucinous cystadenoma of boderline malignancyであつた.
後腹膜腫瘍の中でも悪性嚢胞腺腫は極めて稀であり,文献上ではこれまでに2例の報告をみるに過ぎない.今回後腹膜腫瘍について文献的に検討を加え,とくにその起源について言及した.

キーワード
後腹膜囊腫, 後腹膜腫瘍


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